「速い!」「遅い!」エアバッグめぐり当局vsメーカーが激論

エコカー 燃費

アメリカではエアバッグに顔面を直撃されて助手席の子どもなどが死亡する事故が多発し、ついに助手席エアバッグのオン/オフ・スイッチが取り付けられることになった。しかし政府はそれだけでは十分ではない、としてエアバッグの膨張速度を現在より遅くすることを求めている。

運輸局はこれに先立って50km/hでのシートベルトをしていないダミーによる衝突テストを行い、その結果エアバッグが頭部に与えるダメージは大きい、としている。ただしNHTSA(高速交通安全局)では「このテストは実際の状況に即しているとは言えず、再考の余地がある」との書面を運輸局長に送っている。

このエアバッグの膨張速度をめぐる法的な取り決めへの動きには、メーカーによる強いロビー運動も展開されており、結論はホワイトハウスの決断に持ち越されることになりそう。

ビッグ3を始めとする自動車メーカー側は、「16km/h以下の衝突ではエアバッグ膨張速度を遅くすることは意義が認められるが、それ以上の高速での衝突の場合、政府が主張する速度では乗員の安全性が守れない」として反発している。

メーカーはすでに1997年の時点でエアバッグの速度をそれまでの最大20%削減しており、これによって40km/h以上の事故の場合のエアバッグによる負傷率はかなり減少している、と訴えている。

消費者グループも高速での衝突時の安全性を考えれば、現在以上のエアバッグ速度の減少は望ましくない、としており、エアバッグ速度をめぐる議論はまだまだ過熱しそうだ。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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