【GM=フィアット提携】世界戦略をにらんで巨大合併再び!

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ゼネラルモータース(GM)とフイアットSpA(フィアット・オートをふくむフィアット・グループの持ち株会社)は、13日、資本提携を発表した。世界2大市場:ヨーロッパとラテンアメリカにおける双方の戦力強化がねらい。生産台数でGMは世界第1位、フィアットは7位。

提携により、資材コストの低減、パワートレイン開発・生産コストの低減、資金運用の効率化、技術交流、プラットフォーム共有などが図れるとしている。そして3年目には年間12億ドル、5年目には20億ドルを節約できるという。興味深いことは、両社とも互いに独立を維持し、市場では競争を続けていくと述べていることだ。

資本提携は互いの株を持ち合うことによる。GMがフィアットオートの全株式の20%を購入、フィアットオートがGMの全株式の5.1%を購入するというもの。価格はいずれも24億ドルで、金銭の授受はない。

フィアットSpAのパオロ・フレスコ会長は次のように述べる。「1年前、我々はフィアット・グループの目標を定めた。それはすべての事業分野でリーダーシップをとること。グループの主要企業であるフィアットオートとGMとの提携により、この目標は達成されるだろう。この提携は双方が存続を維持するための提携であり、市場では活発な競争を続けていく」

またGMのリチャード・ワゴナー社長兼COOは次のように述べる。「フィアットとGMは互いの長所短所を補完する。今回の提携は双方にとって有益で、両社の成長が期待できる。我々は互いに経営の独立を保ち、商品販売では競争を続けていく」 オペルを通じてのヨーロッパ事業では、GMは苦戦しているとの認識だ。

ただし長期的にいって、提携後の主導権はややGM寄りにある。持ち合う株数もGM所有のフィアット株のほうが多いし、また将来、フィアットSpAがフィアットオートの残りの80%の株を売却する際には、GMに優先的にオファーすると今回の提携では決められた。なおフェラーリ(フィアットオートが90%出資)とマセラティ(同50%)はこれまで通り、別会社として存続する。

提携の予想される効果をさらにあげると、まずGMはフィアットのプラットフォーム共有システムを入手できる。またGMグループのいすゞがもつディーゼルエンジンの技術・生産設備を活用できる、アルファ(あるいはランチア、さらにはフィアット自身)のアメリカ市場への復帰、GMによるEビジネスへのフィアットの参入など。

《高木啓》

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