【新Cクラス日本上陸!!】最速テストドライブ座談会(その4)「結論、新Cクラス買いますか?」

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【新Cクラス日本上陸!!】最速テストドライブ座談会(その4)「結論、新Cクラス買いますか?」
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●新型CクラスとはSクラスのパロディである

M そろそろ我々なりに、新型Cクラスを総括してみよう。俺はこのクルマを解釈するのに重要なキーワードは「葛藤」だと思うんだ。昔ながらのメルセデスらしさを捨ててまで、新しい世界を築こうとする「革新」の精神と、昔ながらのメルセデスらしさを伝えていこうとする「伝統」の精神との間に、「葛藤」がある。

S さっき話した、アメニティ装備のための新しいインターフェイス・システムとか、スポーティさとメルセデスらしい乗り味とのバランスとかね。

M そう。その「葛藤」は、造形面にも現れていると思うんだ。特に顕著なのがフロントマスク周辺。最初にも話したけど「もっと寝かさせたい」というライト回りの「革新」的な意志と、「グリルを堂々と立てたい」という「伝統」的な意志とがぶつかり合っている。

N そうかもしれませんけど、グリルは次のマイナーチェンジで寝かせるんですよ(笑)。いまのEクラスもそうでしたから。

M なるほど。客の目を慣れさせておいてから、寝かせるというわけね(笑)。

F そして、最後にはグリルがなくなると(笑)。

S どうかなあ(笑)。「グリルを寝かす」問題は「高級車としてのメルセデス・ベンツ」にとって、とても象徴的なことだよ。メルセデス自身は、ひょっとしたら、グリルをなくし、スリーポインテッド・スターもできる限り小さくしたいのかもしれないけれど、メルセデスを欲しがるタイプのお客というのは、つねに「分かりやすい」シンボルを求めるからね。そこにも、旧来のメルセデス精神と新世代の精神が衝突しながら同居しているわけだ。

M だからやっぱり「新型CクラスとはSクラスのパロディである」と結論づけてもいいんじゃないかな。「Sクラスが持つ新世代の技術から、どろどろした上昇志向までを、この大きさに縮小する」ことにこそ、他に類を見ないエンジニアの力量が表されているんじゃないかな。

S ただ、さっきも言ったけど、あまり笑えないパロディだと思うけどね。

●結論、Cクラス買いますか?

M さて最後にもうひとつ、新型Cクラスのマイナーチェンジを予言しましょう。アメニティ系のインターフェイスがもっとよくなります。

F そんなこと、ここまで読んでいたら誰だってわかるよ(笑)。

M だから「いまは過渡期だ」と俺は言いたいんだ。そういうわけで、最後に、我々がそれぞれ「自分としては新型Cは買いか?」という設問に答えて、お別れとしましょう。まずは現行Cオーナーの西内さん。

N ボクは買うかどうか、もう少し考えたいですね。最初見たときは「カッコイイ」「欲しい」と思ったけど、内装を見たり、走らせてみると、走りは「買い換えたい」と思わせるほどには進化してないという印象ですね。少なくとも、内外装のデザインほど革新的ではないかな、と。

F フムフム。オレはBMW3シリーズの方が欲しいというのが結論だね。ボクの頭の中にあるメルセデスというのは、わかりやすくて、派手さを狙っていない質実剛健なクルマというもので、それが個性だと思っていたのに、そうじゃないものになってしまったから。いってみればボクの中ではメルセデスじゃなくなった。

M そんなことがいえるほど「古いメルセデス」をよく知っているのかい(笑)。

F 少なくとも190まではそういう「古きよきベンツ」の世界があったよ。じゃあ、その「古き良きメルセデス」ですら嫌いな陶山さんは?

S ハイ。ワタクシは、ここまで読んでいただければお分かりのように、そもそもメルセデス・ベンツという自動車そのものがあまり好きではないんです。ちなみに「古き良きメルセデス」は嫌いでしたけど、立派なモノだとは認めていました。

F しかも愛車は念願かなって最近ようやく手に入れたシトロエンDSだから、もう、この人はどうしようもないね。アッチの世界にいっちゃったから(笑)。

S そういうこと(笑)。なので個人的にはCクラスにはまったく興味はない。ただ、新型Cクラスを買おう、と思っている人の大半は、初めて「ちゃんとしたベンツ」というものを買いたい、と思って買うのだと思いますから、そういう人にはお勧めします。あなたが期待している「メルセデス・ベンツ」的なるものは、きちんと、たっぷり、このクルマの中にあります。でも今、現行の最終型を買う、という手もあります。どっちでもいいんじゃないですか。

F イヤミで投げやりな言い方だなあ(笑)。では最後に、オートアスキー代表の三浦さんの意見を聞きましょう。

M 僕は、自分は買わないけど、親には勧めたいと思うな。僕の父は定年間近だけど、最後のクルマに、ベンツだからといって怖がらないで乗ってほしいな。新型Cクラスは、僕の父みたいに国産車一筋の人が乗り換えても、決して怖くはないですよ。だいいち、BMWを親に勧めても「親孝行した」っていう気にはならないでしょう。やっぱり親孝行ならベンツですよ。

F 優等生的な答えで逃げたね。

M そうじゃないよ。じっさい、学生時代に中古車オークション会場でバイトしていた時の経験からいうと、BMWはどうも賞味期間が短いクルマなんだ。つまりヤレが早いんじゃないか、という印象があるんだ。だからこそ、親の「上がりのクルマ」にすすめるならCクラスなんだ。親には、末永く「いいもの買ったなあ」という気持ちに浸りながら暮らして欲しいんだよな。

F ますますお涙頂戴的な話になってきたな。でも三浦さん自身はどうしてCクラスを買わないの?

M 俺は、愛するアルファ156が最高だと思っているからだよ。それに今日、新型Cクラスに乗ってみてあらためて思ったのは、いまや少なくとも日常生活に使うための、機械としての信頼性とかは、156でもCでも3シリーズでも同じじゃないかと思うんだ。だから今は、クルマ好きな人はみんな、それぞれ好きなクルマを買えばいい時代と思いますよ、アルファでもBMWでもCクラスでもね。

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