【トリノショー直前特集】世界のカリスマデザイナーたち(その4)ジェイ・メイズ/フォード

自動車 ビジネス 企業動向

昨年の東京モーターショーでひときわ話題を呼んだコンセプトカーがあった。フォード021Cである。どこかなつかしさを感じるスタイリングに、まるで雑貨のような感覚。

これを監督・指揮したのが、ジェイ・メイズである。アストン・マーチンやジャガー、ランドローバーなど、いまや9つのカーブランドをもつフォード・デザインを統括する。

021Cを実際にデザインしたのは、インテリアを得意とするプロダクトデザイナーのマーク・ニューソン。メイズの役割は、これまでのカースタイリングの常識に縛られず、自由な発想でデザインのできる異業種デザイナーのニューソン起用にあったのだ。

メイズの作品にはデザインもさることながら、こうしたプランニングやコンセプトワークに妙がある。

VWで手がけたニュー・ビートルもそのひとつ。名車再生プロジェクトは、VWカリフォルニア・スタジオの若いデザイナーたちのコーヒーブレイクの雑談から始まったという。コンセプトモデルで終わらせることなく、復活したビートルは話題を呼び、新生VWのイメージを決定づけた。これもデザイン/ブランド・コンサルテーションに造詣の深いメイズ流のデザイン・アプローチだろう。

機能が画一化する現在、デザインは他車との差別化を図る必須要件になった。メイズがめざすのは、デザインそのものの可能性をさらに広げることなのである。

●ジェイ・メイズ
1954年アメリカ生まれ。カリフォルニア・アートセンターを出た後アウディ入社。83年にわずか1年間だが、BMWに移籍後、再びアウディに復帰。VWカリフォルニア・スタジオを開設し、95年退社。現在はフォードのデザイン担当副社長を務める。

《》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. レクサス『IS』改良新型、表情一新…2026年発売へ
  2. スバル、米国顧客満足度指数調査で総合1位…安全性部門は6年連続首位
  3. ルノー『ルーテシア』新型、新デザインで大胆チェンジ…IAAモビリティ2025
  4. ダイビングで拾ったゴミとMITSUBISHIトライトンで見つけた新しい相棒関係PR
  5. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る