どうなる!? FIAがインターネット支配に乗り出した

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どうなる!? FIAがインターネット支配に乗り出した
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オーストリアGPが終わってからフランスGPの話題を持ち出すことになり、読者の方々には恐縮してしまう。だが、このニュースを出し渋っていたわけではない。動向を静観していたのだ。結果、A1リンクのプレスルームでも同じ警告書が出された。事態は緊急と言ってもいいかもしれない。まずは、事の起こりから説明しよう。

先日のフランスGPにおいて、FIAがプレスに向けて摩訶不思議なリリースを発表した。このリリースには以下のような文面が綴られていた。「シーズン開始時にアンオフィシャルなインターネットサイトに関する仕事の制限を伝えていたにも関わらず、いまだにプレスルームからアンダーグラウンドなインターネットサイトの仕事をしている人が見られます。我々が発給している取材パスは、正式な雑誌やテレビの取材用パスであり、FIAの承認を受けていないインターネットサイト用のものではありません。今後、このような仕事をしている人を知っている人は、FIAのプレスオフィスまでご連絡下さい」とある。

つまり、プレスルーム内でインターネットの仕事をしている人間を知っている人は、それを密告しろという内容なのだ。事実として、プレスルームにはFIAのリリース関連の仕事を手伝っている関係者も多く、新たに「密告」や「対立」といった危機感を感じずにはいられない。

過日、7月13日に、国際オリンピック委員会(IOC)と米オリンピック委員会(USOC)、ソルトレーク冬季五輪組織委員会(SLOC)は、米連邦裁判所に『オリンピック』やそれに関連した言葉のドメイン名を使ったインターネットサイトを相手取り、用語の使用差し止めなどを求める訴訟を起こした。訴えられたサイト数は約1800! なんと、英語圏以外の言語も対象だという。

さて、これがF1と何の関係があるのか? 実は大ありなのだ。以前からFIA会長のマックス・モズレーは「FIAは、IOCに次ぐ唯一の世界的民主団体」とぶち上げており、2000年シーズンの開始時にはインターネットに関する警告書を出していた。FIAが出したインターネットに対する警告書は、シーズン開始のオーストラリアGPで1度、フランスGPでは「いまだにF1サイトに協力する人がいます」という警告書で2度目、そして今回のオーストリアGPでも同じ警告書をプレスに向けてリリースしたことになる。

FIAはいつでも訴訟を起こせる下準備を整えつつあると言えるだろう。現在F1に関連するホームページはオリンピック以上の数があると言われている。近々「F1のオフィシャルサイト契約が大手プロバイダと結ばれるのではないか?」と現場で噂されている以上、F1に関連したドメイン名に関する訴訟が近いのではないかと推測される。

さて、問題は「auto-ASCII24は?」という事だろうか。判定は難しいが、限りなくグレーだと言える。ドメイン名でやり玉に上がることはなさそうだが、私が毎日、送稿しているF1関連のニュースは、もちろん現場のF1ジャーナリストたちからの情報で成り立っている。彼らが私に情報を送る行為はFIAの言う「アンダーグラウンドなインターネットサイトの仕事」に当たるだろう。ここで言うンダーグラウンドとは、FIAを始めチームやメーカーのホームページ以外すべてのサイトと考えていい。

「日本語だから大丈夫でしょ?」って考えている人もいるだろうが、FIAはそんなに甘くない。これまで雑誌に関しても、彼らが気になる話題(写真やイラストから判断して)は、すべて英語やフランス語に訳されてFIAのメディア担当がチェックしていたという。

急速に情報のインターネット化が全世界で進み、それは速報性というメディアにとっても重要なツールとなった今日、FIAの規制はどこまで有効なのだろうか? ともかくauto-ASCII24編集長には訴訟に対する準備を進言するが、毎日、F1関連のニュースを楽しんでいる読者には、今後もいろんな話題をお届けすることを約束する。F1マシンがあれだけ規制の網をくぐり抜けているのだから、auto-ASCII24の優れた情報網に同じことができないわけがない!

《編集部》

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