アメリカのNHTSA(道路交通安全局)が行ったフロントとサイドのクラッシュテストで、ダイムラー・クライスラー『PTクルーザー』が受けた評価は、その市場での評判の高さの割には満足のいくものではなかった。
NHTSAによると、35マイル/h(56km/h)で壁への正面からのクラッシュテストで、PTクルーザーが受けた評価は運転席が★★、助手席は★★★★(テスト結果は5段階で表示され、★★★★★が最高)。またサイドクラッシュでは37.5マイル/h(60km/h)で3015ポンド(1366kg)の重量のバリアがサイドから当るという想定で、前席が★★★★、後席が★★★★★だった。
しかし正面衝突のテストで運転席が★★、というのは安全と評価するには低すぎる数字。このクラスの他の車と比べてもかなり低い。ダイムラー・クライスラーでは人気車種でもあることから、今回の結果に対してNHTSAに抗議をすると発表している。
ダイムラークライスラーによると「テストに使用された2台の車のうち、正面衝突のテストに使われた方は正しい手順でテストが行われていない。自社テストの結果と大きく食い違う」と、再テストを要求する構えだ。
ところでPTクルーザーはかなりの人気があり、定価で入手するのが難しい車。NHTSAでも今回のクラッシュテストのためにPTクルーザーを購入する際、定価より1万ドル(109万円)も高いプレミアを支払っている。その結果にクレームがついたのではNHTSAもかなりの痛手のようだ。