ボルボ社が来年4月に予定している三菱自動車への追加出資が終了した際、ボルボと三菱が交わす締約書の中に「トラック部門の情報をダイムラー・クライスラーに流すな」という一文が盛り込まれることになりそうだ。
これはロイター通信がボルボ側の情報として報じたもの。ボルボは、来年4月に三菱自動車からスピンオフ(分離)されるトラック部門に対し、出資比率を現在の5%から20%まで引き上げる計画だ。
スピンオフされるまで数カ月の期間、三菱自動車の株式のうち34%を有する大株主のダイムラー・クライスラーが、トラック部門の情報を持ち出す可能性があることにボルボは懸念を示している。このため、ボルボは三菱に対して「競争相手が情報を持ち出すことがないように管理してもらいたい」と徹底させているようだ。
日本では国内メーカーの存在が大きいため、さほど激化していないが、ヨーロッパ市場で販売される大型トラックについて、ボルボとダイムラー・クライスラーは熾烈な販売合戦を繰り広げており、ボルボの立場にしてみれば「技術情報は何ひとつ渡したくない」というのが本音だろう。