【新聞ウォッチ】トヨタの仏工場稼働、「宴のあと」で問われる力量

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【新聞ウォッチ】トヨタの仏工場稼働、「宴のあと」で問われる力量
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気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2001年2月1日付

●三菱自動車前社長、クレーム隠し認める(朝日・1面)

●ダイムラーの次期小型車、現代は開発に加えず(朝日・12面)

●トヨタ、欧州戦略加速、仏で小型車生産開始「現地調達率引き上げ課題」(産経・7面)

●自工会へのGM日本法人加盟に消極的・奥田会長(産経・7面)

●三菱自動車5車種リコール「欠陥把握後も74台販売」(毎日・25面)

●ダイムラー、持ち株設立を検討・独誌報道(読売・8面)

●廃車のフロン回収義務付けへ・経済産業省「自動車リサイクル法案(仮称)」提出で(読売・9面)

●乱戦・欧州自動車市場(下)「苦戦する巨大市場、質の競争に立ち遅れ」 (日経・13面)

ひとくちコメント

トヨタ自動車のフランス工場がいよいよ操業開始。きのうは奥田会長らが出席し、現地で1号車の生産(ラインオフ)を祝う式典が行われた。きょうの朝刊にも、生産したばかりの『ヤリス』(日本名『ヴィッツ』)の前で、奥田会長と現地法人の渡辺弘明社長が握手するシーンと、式典の模様を伝える特派員記事が掲載されている。

面白いのは各紙の取り上げ方である。時差の関係から、式典が始まったのは、日本時間で昨夜の午後7時過ぎ。朝刊の締め切りには余裕たっぷりの時間帯だが、写真を大きく掲載している朝日、毎日、産経はともかく、日経、東京の扱いはシンプルだ。

中でも親会社の中日新聞が名古屋に本拠を構えることでトヨタの“広報紙”的な存在とみられている東京は、わずか30行余りのベタ記事。記者がワインを飲み過ぎて原稿を書くのを忘れていたわけでもないだろうが、奥田会長が「トヨタが欧州メーカーとして発展するための重要な拠点」(産経など)というスピーチの内容にもまったく触れていない。読者は夕刊以降の続報に期待するしかない。

ともかく、現在のトヨタの欧州でのシェアはわずか3%程度。これで遅れ気味だった欧州市場での巻き返しに向けた生産拠点が整ったわけだが、今後は販売力の強化と環境規制に対応した商品開発力が勝敗を分けることになる。手放しで式典を祝う気持ちになれないのが関係者の本音かもしれない。

《福田俊之》

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