燃料サプライヤー側から見る燃料電池車とは?

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燃料サプライヤー側から見る燃料電池車とは?
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現在、燃料電池の技術には水素をそのまま使う“ダイレクト方式”と、他の物質から水素を取り出す“改質方式”の二つがある。

燃料の供給面で有望とされるのは、既存のインフラを使える後者だが、燃料サプライヤーはそれをどう考えているのだろうか? 今回のシンポジウムでは日石三菱がその疑問に答えている。

「水素スタンドを導入するにしても、水素を単体で輸送するより、SS(サービスステーション)で改質して取り出すという方が有望だし、現実的」というのが、サプライヤーである日石三菱の考えだ。

ガソリンスタンドの採算ラインは1258台分の顧客を持つこととされているが、LPGやCNGのスタンドでは現状50〜150台が精一杯であり、これがコスト増につながっているという。既存のスタンドを改修するだけで使える方が、地域による導入格差も生み出しにくく、格差が無ければ「普及も早いのではないか?」と考えているようだ。

技術的な問題としては、改質に使う燃料のオクタン価の問題を真っ先に挙げた。

オクタン価が高い現在のガソリンからは、水素への改質がしにくいという。オクタン価を下げたガソリンを精製する必要が生じるが、燃料電池用とガソリンエンジン用で分けてしまうとコストアップによる価格差が生じるため、今後の目標としては低オクタンのガソリンで動く通常タイプのエンジン開発も必要になってくるだろうし、そうしないとコストが下がらないという意外な、そして自動車メーカーには頭の痛い宿題も明らかにしている。

また、SS自体に燃料電池を使用したコージェネレーションシステムを装備することで、災害時に備蓄タンクの燃料を使って電力の供給を行うということも考えているという。これは阪神大震災当時に停電でスタンドが機能しなくなったということに端を発しているという。そんな意外な燃料電池の使い方には会場からも驚嘆の声が上がっていた。

《石田真一》

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