【F1開幕ダッシュ分析 Part. 2】ミシュラン復帰初優勝は近い

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
【F1開幕ダッシュ分析 Part. 2】ミシュラン復帰初優勝は近い
【F1開幕ダッシュ分析 Part. 2】ミシュラン復帰初優勝は近い 全 6 枚 拡大写真

やはりミシュランは並のチャレンジャーではなかった。ブリヂストン関係者はブラジルGPを終えたいま、驚愕しているに違いない。タイヤの戦力を比較するなら、依然としてブリヂストンに分がある。これは間違いのない事実だ。ところがミシュランの学習スピードは並ではない……これも事実だろう。

98年からF1に導入されたドライ用のグルーブド(溝つき)タイヤは、上昇し続けるF1マシンのラップタイムを落とす目的でFIAが規則化したもの。そのグルーブドタイヤを設計するタイヤエンジニアにとっては、それまでのドライ用レーシングタイヤ(スリック)の概念が通じない難物だという。一般的に強グリップ力=ソフトコンパウンドと考えることは間違いではないが、ことF1用グルーブドタイヤの場合、構造(コンストラクション)でグリップを得る思考がより強く盛り込まれている。

これまでグルーブドタイヤを設計した経験を持たない(はずの)ミシュランが、開幕2戦目のマレーシアGPであわやポールポジションかという走りを見せ、再びブラジルGPでも同じようなパフォーマンスを見せた。ラルフ・シューマッハの予選、フアン・モントーヤのトップ快走劇……いずれもミシュランタイヤの開発が急速に良い方向へ動き始めていることの証である。グルーブドタイヤという未知の領域であったはずの技術をヨーロッパラウンドに至る前にモノにしつつあるフランスのタイヤメーカー。復帰後の初優勝は意外に早く訪れるかもしれない。

無論、ミシュラン復帰後の成功(初ポールポジション、初優勝)が今シーズン中にあるとすれば、それはもちろんウィリアムズによって達成されるだろう。ミシュランタイヤの開発スピードも凄いが、ウィリアムズFW23・BMWのポテンシャルは関係者たちが想像していた以上に高い。マレーシアGP直後とは違って現時点において、彼らの速さをもはやフロックとは言えない。ウィリアムズの堅実なシャシー、そして何よりもBMWエンジンの信頼性をも兼ね備えたパワーは驚異的ですらある。

F1エンジンのパワーはもちろん公表されることなどないが、パドックでの噂ではBMWエンジンは800〜850PSの間にあると評判になっている。850PSは少々オーバーな噂だと思うが、パワーが出ていることだけは間違いない。高速テクニカルコースのインテルラゴスで見せたパフォーマンス……というより(相対比較したうえで)ヘビーダウンフォース仕様のリヤウイングで何故あのトップスピードが出るのか……、その答えはBMWが2001年用に新設計した90度バンクのE41エンジンが吐き出すエキゾーストノートが語っていたと言えないだろうか?

《編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. バブル直後、520万円で発売された伝説のバイクに出会った…知る人ぞ知る「ホンダNR」とは
  2. スズキ「KATANAブロック」予約販売を開始
  3. 高速道路料金も「変動制」導入、来年度から全国的に順次拡大[新聞ウォッチ]
  4. 三菱『デリカD:5』ついにフルモデルチェンジへ! 車名は「D:6」!? 2025年内発表か
  5. 日産が新型ミニバン『タウンスター・エバリア』を欧州発表…EVも設定
  6. ちょっと待った! 自動車税の支払い…キャンペーンやポイントがつく支払い方法で
  7. 【ホンダ N-BOX 新型試乗】「屈指の名作」第2世代からの長足の進歩を求めるのは酷?…井元康一郎
  8. 世界初試乗!? ソニー・ホンダのAFEELAに自動車評論家がGT7の中で乗ってみた
  9. BMWモトラッド、「自動シフトアシスタント」発表
  10. トヨタ、“若者離れ”に窮余の一策、全職種で65歳以上も再雇用[新聞ウォッチ]
ランキングをもっと見る