【ASV成果報告会 Vol. 5】ASV技術の市販車反映のトップならではの悩みも

自動車 テクノロジー ITS
【ASV成果報告会 Vol. 5】ASV技術の市販車反映のトップならではの悩みも
【ASV成果報告会 Vol. 5】ASV技術の市販車反映のトップならではの悩みも 全 2 枚 拡大写真
日産は国内メーカーの中でもいち早くエアバッグの標準装着化を進めるなど、安全面の対策に力を入れている会社だが、ASVプロジェクトにおいても、日産が提唱する「トリプルセーフティ思想」に基づいて研究開発を進めてきた。

第2期ASVの実験車両『シーマASV』には、ブレーキ併用式車間距離制御システム、車間距離レーダー、VDCなどが装備されているが、これらはすでに市販車にも反映されており、安全に対する日産の先進性を証明するものとなっている。

ASV実験で特に力を入れたのが、すでに市販型の『シーマ』や『プリメーラ』への搭載が始まっているブレーキ併用式車間距離制御システム。これはミリ波レーダーとスロットルアクチュエーター、ブレーキアクチュエーターをコントロールユニットで統合したものだ。クルーズコントロールで任意速度を設定すると、その速度を維持したまま巡航し、速度が遅い前方車に追いついた場合には、コンピューター制御によってスロットルが自動的に戻されるとともに、ブレーキも操作され、緩やかに減速していくシステム。前車を追い越すなどして進路が空くと、設定速度まで自動的に戻されるという機能もあり、高速道路走行などでのドライバーの疲労を低減させるのに役立つ。

市販車にも反映されていることからわかるように、機能としてはすでに完成しているため、今後は衝突回避のための非常停止を含む全速度域での機能適用と、それに伴う安全確保がさらなる課題となる。レーンキープサポートシステムと組み合わされた場合、すでに自動運転の一歩手前まで進んできたと言えるが、機械に過信して運転がおろそかになる可能性や、運転責任の考え方について再考を強いられるなど、社会的コンセンサスの同意も含めた新たなる問題点も浮上している。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ハイエースの牙城を崩すか、個性的デザインの「EVバン」が日本上陸…キア『PV5』発売は2026年春
  2. マツダの新型SUVが約250万円から!?「バグってる」「買わない理由がない」など驚きの声殺到
  3. レクサスの最高峰セダン『LS』36年の歴史に幕、SNSでは「センチュリーが後継モデルに?」との期待も
  4. 日産の新型SUV『テクトン』、写真公開…2026年発売へ
  5. スバル『フォレスター』試乗して分かった日本車に対する本音とは…9月の試乗記ベスト5
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る