【熊野学の技術詳説】『フィット』---高回転域では同時点火

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【熊野学の技術詳説】『フィット』---高回転域では同時点火
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低回転では吸気側の点火時期を進め、排気側の点火時期を遅らせる。これは、排気側では混合気の流速が速くて火炎伝播も速く、逆に、吸気側では混合気の流速が遅くて火炎伝播も遅いからだ。そこで、上記のように2プラグの点火時期をずらして、混合気が均等に燃えるようにする。

一方、高回転では2プラグで同時に点火する。高回転では混合気の流速は燃焼室全体で充分速く、2プラグ同時点火しても混合気は均等に燃焼するのだ。

興味深いのは高負荷中速回転で、排気側の点火時期を低回転時よりさらに遅らせることだ。これは、高負荷で急速燃焼するとコンロッドメタルの負担が限度以上になり、燃焼圧の上昇を一定レベル以下に抑える必要があるからだ。そこで、排気側の点火をさらに遅らせて、燃焼速度を一定以下に抑える。高負荷中速回転ではメタルの負担が最も大きく、この領域だけは急速燃焼によるトルクの向上より、メタルの保護を優先したわけだ。

2プラグ位相差点火では、プラグの本数と点火コイルの数が2倍になり、コントローラーも必要になる。それはコストの上昇を伴い、低価格車に相応しくないと思える。しかしホンダは、23km/リットルという世界最高水準の低燃費を達成するために必要と判断したのだ。

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