今、オーディオの世界で急速に進化しているのは、デジタル圧縮技術と、それを利用したシリコンオーディオの分野であることは間違いない。カーAVには投入され始めたばかりの技術だが、『AUDIO EXPO2001』ではそれらをフルに活かした製品の展示も行われていた。
パナソニックは、昨年のオーディオEXPOでケーススタディモデルとして展示していたSDカードを使用するヘッドユニット『CQ-SRX7000D』の市販をすでに開始しており、SDカードを使用した機器のコーナーにディスプレーしていた。音質は昨年公表していた開発型(ベータ2だったと言われている)モデルよりは確実に進歩。ノイズの多い環境でMP3を聞くには申し分ない性能となっている。
普及型カーAVの世界では、MP3ファイルを使うということに主眼が置かれており、圧縮技術をフルに活用でき、振動などの過酷な環境にも強いシリコンオーディオに注目が集まっている。ソニーではMP3よりも圧縮率が高いATRAC3と、メモリースティック+フラッシュメモリーを組み合わせた『ネットワークウォークマン』をすでに実用化しており、カーAVに投入する日も近いと噂されている。
「音質にはこだわらないけど、自分の好きな音楽を運転中に聴きたい」というクルマ好きにはそれで充分なのかもしれない。