『ES3』はトヨタが世界に提案する環境対応コンセプトカーだ。9月のフランクフルトモーターショーで一足先にデビューを果たしているが、東京モーターショーでも注目を集めるのは間違いのないところだ。
ボディにアルミ合金と樹脂を採用し、構造設計を工夫することで剛性を確保しつつ軽量化を図る。4人乗りという実用的なパッケージングを持ちながら、車重を軽自動車並みの700kgに抑えている。空力特性も素晴らしく、Cd値は3ドアハッチバックとしては驚異的な0.23を達成している。
エンジンは1.4リットル直噴ディーゼル・インタークーラーターボと電気モーターを組み合わせたハイブリッド方式。エンジンの燃料噴射ポンプは精密な燃焼制御を実現する高圧噴射システム、コモンレール式が採用されている。トランスミッションは無段変速機CVTだ。
軽量車体と高効率エンジンの相乗効果で、燃費はヨーロッパの指標であるECモードで2.7リットル/100km(日本の10・15モード換算で47km/リットル)を実現する。トヨタはベーシックカー、『ヴィッツ』を大ヒットさせたが、研究開発部門ではすでにヴィッツを大きく超える次世代モデルの開発が相当な段階まで進んでいることをうかがわせるモデルだ。