【2001年F1総括】フェラーリの強さとはいったい何だったのか?
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それはズバリ、風通しの良い組織による圧倒的な信頼性の確立にほかならない。1996年にM. シューマッハがフェラーリに移籍して以来、チーム監督のジャン・トッドが目指していたのは、風通しの良い組織作りであり、ロス・ブラウンとロリー・バーンが目指したのがマシンの速さと信頼性の両立だったのだ。
1999年、マクラーレンがコンストラクターズ・タイトルを失ったのは、シーズン序盤の信頼性の欠如が原因だったことは間違いない。確かに1998年から見せていた圧倒的な速さの前にフェラーリは為す術もなかったが、マクラーレンのマシンは信頼性に欠け、ヨーロッパラウンドに入るまでは勝てるレースをいくつか落としていた。
その点、今年のフェラーリは毎年磨きをかけてきた信頼性に関して、開幕から素晴らしい成果を誇り、マクラーレンと同等以上のマシンポテンシャルにM. シューマッハのドライビングテクニックが加わったのだから、フェラーリのチャンピオンシップ獲得はシーズン前半でハッキリと感じられたのだ。
先日、日本で開催されたミッレミリアにエントリーした無冠の帝王スターリング・モスが、面白いコメントを残している。「今年、ミハエルは初めて最高のマシンとチームというパッケージングでマシンを走らせた。その結果があの圧勝だよ。つまり、彼を過去の偉大なドライバーたちと比較することはできないが、私が今シーズンのグランプリを見てハッキリ言えるのは、同じレベルのマシンを彼に与えたら、現時点では誰も彼には太刀打ちできないことが証明された、ということだろうね」。
つまり、M. シューマッハ、信頼性の確立したマシン、そしてジャン・トッド率いる完ぺきな組織、この三位一体が揃った今年がフェラーリの勝因だったとは言えないだろうか。
《編集部》