ダイハツ工業は11日、岩手大学工学部、大阪特殊合金と共同で、自動車用ボディなどに採用されている高張力鋼板の新たな鋳造方法を開発したと発表した。プレス工程で発生する鋼板スクラップのリサイクル率向上につなげる。
ハイテン材とも呼ばれる高張力鋼板は、通常の鋼板と同等の強度を保ちながら薄板化が可能な素材で軽量化のため自動車への採用が拡大している。しかし、鋳造素材としてのリサイクルが難しく、将来的に採用が抑制される恐れがあったという。
このため、リサイクルを難しくしているマンガンを添加剤によって除去する技術を開発。鋳鉄原料としてのリサイクルを可能にした。
ダイハツはプレス工程で発生するスクラップ鋼板を鋳造部品の原料として再利用しており、鋳鉄原料の4割がリサイクル素材となっている。高張力鋼板の鋳造への利用も可能にしたことで、さらにこの比率があがる見込みだ。また新技術はダイハツ社内だけでなく他メーカーにも供与していく。