102ポイント、リタイア回数6回、表彰台回数13回、数字を見るかぎり、決して最悪とは言えないが、しかし、ここ数年では悪夢のシーズンだったのがマクラーレンだ。
速さでウィリアムズBMWに凌がれ、信頼性ではフェラーリに置いていかれた。これが敗因だったことは間違いない。そして、もうひとつマクラーレンにとって不利に働いたのが、ミカ・ハッキネンのシーズン序盤の不調だろう。
本来ならM. シューマッハvsハッキネンという構図があり、チームもそのつもりで戦うつもりだった。しかし、ハッキネンは不運なトラブル続きでノーポイントレースが続き、逆にクルサードが予想外の強さを発揮したため、チーム内でもどちらに力を集中するかを決断できなかったことがマクラーレンにとってマイナスに働いてしまった。
結果、イギリスGPでハッキネンが鮮やかな勝利を飾り、その後数戦は一時的にハッキネンに力が集中するなど、最後までマクラーレンの戦い方が見えないシーズンとなってしまった。さらに、アドリアン・ニューウェイの移籍騒動、ハッキネンの引退騒動など、チーム内がゴタゴタしていることが対外的にも表面化してしまい、チーム内のモチベーションが大きく低下してしまったことは否めない。
結果を言えば、マクラーレンの敗因は、3年前に頂点を極めたチームが、メルセデスによるチームの買収計画や、エースドライバーの選択など、その後の体制をハッキリさせなかったために、内部からシロアリ被害のようにチームの結束が崩れていったことが原因であり、来シーズンも復活できるとは考えにくいのが現状なのだ。