今年5月、一時停止違反で検挙された男性が「道路状況の方にこそ問題がある」と反則キップへのサインを拒み、それが発端となって、道路上の一時停止ラインが6メートル移動させられたことが明らかになった。結果としてこの男性は起訴猶予処分になったという。
これは12日付けの読売新聞Webサイトが報じたもの。この男性は今年5月13日、乗用車を運転して名神高速道路栗東インターチェンジを降り、国道1号線との合流点に向かった際、合流点から約6メートル手前に設置された一時停止線を見落とした。このため、現場付近で取り締まりを行っていた滋賀県警・草津署員に停止を命じられ、道路交通法の一時停止違反などで反則キップの交付を受けた。ところがこの男性は「止まらなかったのは停止線が見にくい位置にあるため。つまり道路状況に問題がある」としてサインを拒否し、正式裁判による決着を求めた。
調書作成のため、県警が実地調査を行ったところ、停止線の位置に止まっても国道側に違法駐車しているクルマがあった場合には安全確認ができず、さらに前方に止まらなくては見通せないことがわかった。
警察からの報告を受け、滋賀国道工事事務所はこの停止線を国道との合流地点側に6メートル移動する工事を実施。この工事が行われたため、男性の主張する「道路の欠陥」が認められたことになり、男性は結果として起訴猶予処分になった。
滋賀県警では「それ以前に行われた取締りは問題ない」としているが、そもそもこの場所に警察官がいたということは、ここがうっかり違反の常習地点だったとも考えられる。