【スズキ ハスラー タフワイルド 新型試乗】“クラシック・ミニ”の面持ちを思い出す…島崎七生人

スズキ・ハスラー タフワイルドターボ・フルタイム4WD
スズキ・ハスラー タフワイルドターボ・フルタイム4WD全 24 枚

街中で試乗していると実に多くのスズキ『ハスラー』と出会う。だが溢れ返っている……などとは決して思わないのは、このクルマのチャーミングなキャラクター故か。

昔、自分のクラシック・ミニで走っていると、すれ違いざまピースサイン(笑)を送られたり送り返したりした、そんな面持ちを思い出した。

◆ビシッと引き締まった佇まいの「タフワイルド」

スズキ・ハスラー タフワイルドターボ・フルタイム4WDスズキ・ハスラー タフワイルドターボ・フルタイム4WD

試乗車は昨年新たにラインアップに加わった「タフワイルド」。標準車がポップな味わい(そういえば初代はアラレちゃんがCMに登場した)なのに対し、このクルマはビシッと引き締まった佇まいなのが特徴。

とくに顔まわりでは、幅広のグリルとそれに連続させたブラックのヘッドランプベゼル、メッキのバンパーを装着したようなデザイン処理(リアも同様)、ブラックメッキのHUSTLERのエンブレムなどでクルマが一格、大人びたような印象。ほかにもブラックメタリックのアルミホイール、ブラックのドアハンドルやドアミラーカバーも全体を引き締める役割を果たす。

それとジープのハードトップ風2トーンの塗り分け部分もタフワイルドではブラック。試乗車は専用色のスチールシルバーメタリックのモノトーンだったが、この色もなかなか上品な味わいで好ましい。

◆実用性を高めた専用インテリア

スズキ・ハスラー タフワイルドターボ・フルタイム4WDスズキ・ハスラー タフワイルドターボ・フルタイム4WD

インテリアでは撥水加工の専用ファブリックシートを採用。それと独特の“3連”のインパネカラーガーニッシュの塗色がよく見るとマットカーキ(コンソールトレイも同色)で、浮き過ぎず、カタログ写真では調整で色を際立たせているが、実車では適度に落ち着いた見栄えになっているのもいい。

それと後席だが、シート自体、左右独立でスライドとリクライニングの調節が効き、使い勝手の自由度が大きいのが便利。また座面そのものがやや高く、相対的にサイドウインドゥの下端が低いため、ここに“乗車”する我が家の柴犬シュンも、車外の景色がいつになく楽に見渡せたようで、大人しく座っていた。

スズキ・ハスラー タフワイルドターボ・フルタイム4WDスズキ・ハスラー タフワイルドターボ・フルタイム4WD

一方で改めてチェックすると、装備も充実している。360度プレミアムUV&IRカットガラス、前席シートヒーター、本革ステアリングホイールなどは、ありがたい装備だ。それと試乗車には、スズキとエステーの共同開発という車用芳香剤“Air Forest YOWAN 車用エアケアキューブ”が載っていた。車酔い防止の効果もあるといい、ウッディな香りは馴染みやすいものだった。

スズキ・ハスラー タフワイルドターボ・フルタイム4WDスズキ・ハスラー タフワイルドターボ・フルタイム4WD

◆欧州コンパクトカーに近い味わいの走り

そして走りが実に頼もしく安心感が高いのも大きな魅力だ。ターボ+フルタイム4WDの試乗車は、シッカリとした重さを残すステアリングの操舵感と、165/60R15 77Hタイヤによる車体の安定感が際立つ。欧州コンパクトカーに近い味わいなのがいい。それと動力性能もおよそほとんどのシーンで十二分で、ストレスなく自然にクルマを走らせてくれる。

遠出はせず郊外の日常的なエリアで試乗したが、返却時に確認した燃費は22.28km/リットルだった(WLTC=20.8km/リットル、WLTC-M・郊外モード=22.3km/リットル)。

スズキ・ハスラー タフワイルドターボ・フルタイム4WDスズキ・ハスラー タフワイルドターボ・フルタイム4WD

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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