【2002『G-BOOK』の野望 No.3】クルマが通信機能を内蔵する、トヨタの強み

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【2002『G-BOOK』の野望 No.3】クルマが通信機能を内蔵する、トヨタの強み
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G-BOOKの通信環境はどうなっているのだろうか。従来であれば、携帯電話をナビに接続し……という手段が必要であったが、G-BOOKは通信手段を内蔵している。64kbps〜144kbpsという通信速度が、クルマに内蔵され、クルマ自体が“つながる”性能を持っているのだ。

G-BOOKのデータのやりとりは、これだけではない。コンビニなどに設置される「E-TOWER」と呼ばれる端末や、パソコンから、メモリーカードに大容量コンテンツを書き込み、車内で利用できる。そうすることによって、高額な通信料金を負担することなしに大容量コンテンツが楽しめる。車内からの通信はリアルタイムな情報が必要なときに限定すればいい。

実際にはトヨタが資本参加するau(KDDI)の携帯電話のインフラを利用するのが濃厚と見られる。auのメリットは、すでに次世代と互換のあるcdmaOneのネットワークを使うことにある。auは2002年4月1日より全国主要都市で『CDMA200 1x』という最大144kbpsのパケット通信サービスを開始すると発表している。また、auは2002年度中には最大2.4Mbpsの通信速度をもつ『CDMA2000 1xEV』のデータ通信専用サービスを計画している。

この流れに乗せるためにトヨタはあえて個人の携帯電話をクルマに接続して通信環境を得るという方法をとらずにクルマに通信機能を内臓させる道を選んだわけだ。同時にKDDIグループがクルマという未開拓のモバイル契約を伸ばすことでライバルNTTグループを逆転するというシナリオまで描くことができる。

NTTドコモの次世代サービス「FOMA」はエリアが狭すぎ、2002年のサービス時でも、都市部だけしか使えないことになる。これでは海や山へのドライブには使い物にならない。

逆に「CDMA2000 1xEV」は上位互換なので、もし、G-BOOKのシステムが対応していれば、対応エリアでは2.4Mbpsの通信速度、非対応エリアでは64Kbpsということもできる。サービスが始まっていなくても、対応端末があれば、今すぐにでも使うことができるのだ。

ところで、ユーザーは、こういった携帯電話のことは気にせずサービスを受けることが可能だ。トヨタと契約するだけで、別に携帯電話会社に手続きを行うことはないという。料金も、データ通信だけなので、携帯電話のような高額の基本料金を払うこともないだろう。

そして、G-BOOKのハンズフリー通話機能は情報通信とは別にユーザーが持っている携帯電話を使うことになり、情報を検索とは関係なしに通話を行うことができるようになっている。だから、今持っている携帯電話がNTTドコモだろうが、J-PHONEだろうがかまわない。

《レスポンス編集部》

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