ホンダ『モビリオ』は、「デイリーユースのミニバン」だという。大勢の人を乗せたり、たくさんの荷物を載せる「いざというとき便利」な大きなクルマがミニバンだと思うのだが……。開発リーダーの友部了夫(ともべ・のりお。本田研究所・主任研究員)は「新しいカテゴリー」だという。
本田研究所・和光研究所のデザインチーフ、宇井與志男エグゼクティブチーフエンジニアは「身の丈に合ったミニバン」という。「ミニバンならではの空間や使い勝手は外寸の大小にかかわらず便利です。それをターゲットユーザーに合わせた大きさにしたのです」
コンセプトが分かりやすいのが左右のスライドドアの存在。「モビリオは日常、後席で乗り降りする機会の多いクルマなんです。『ステップワゴン』とくらべると、そちらは“家”がコンセプトです。家の玄関が2つあったら変でしょう」と宇井チーフ。
足として、家族に限らず人の乗り降りや荷物の積みおろしが多いモビリオは両側ドア、家族がそろってレジャーに出かけて車内で何らかの活動をする、ということを前提にしたステップワゴンは片側スライドトアなのである。