ハンズフリーでも走行中の通話は危険---英損保が実証

エコカー 燃費

イギリスの損害保険会社ダイレクトラインは22日、「運転中に携帯電話で通話することの危険度は、ハンズフリー装置を使っても変化がない」というデータをまとめ、公表した。運転暦の長い男女20人を集めて実験したものだという。

これは同社の自動車保険を利用するユーザーのうち、ハンズフリー装置を接続した携帯電話での通話中に事故を起こすというケースが目立つために行われた。正確な数は公表されていないが、その数はハンズフリー装置なしの場合と比較しても大差ない数だとしている。

実験は運転暦が10年以上の男女20人を集め、様々なシチュエーションでドライビングシミュレーターを動かし、事故の発生率を測るというもの。用意されたシチュエーションは「何の因子もなく運転だけに集中」、「携帯電話で話しながらの運転」、「ハンズフリー装置を使って話しながらの運転」、「酒気帯び(イギリス基準=血液100ml中、アルコール80mg)」の4種類。

いずれのケースも時速70マイル(112km/h)でクルマを走らせ、任意の場所で他車の急激な車線変更などのイベントを発生させ、ブレーキを踏むまでの反応時間を測定した。何の因子も与えない場合の空走距離は平均31メートルで、これが基準値となる。

用意された4つのシチュエーションのうち、最も反応時間が遅かったのは「携帯電話で話しながらの運転」で、ブレーキを踏むまでの空走距離が平均45メートルだった。ハンズフリー装置を使った場合には、これが同39メートルまで減少するが、酒気帯び状態ではそれよりも短い35メートル程度で済むことがわかった。つまり「ハンズフリーは酒気帯びよりも危険」ということでもある。

この結果を受け、同社では「たとえハンズフリー装置を使っていたとしても、走行中の携帯電話使用は酒気帯び運転と同等の危険性があることをユーザーは認識すべきだ」としているが、だったら飲酒運転の方がまだ良いというわけではない。念のため。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ハイエースの牙城を崩すか、個性的デザインの「EVバン」が日本上陸…キア『PV5』発売は2026年春
  2. スズキが新型「軽EV」を世界初公開へ、2026年度内に量産化、軽商用EVも…ジャパンモビリティショー2025
  3. ヤマハ発動機が新型3輪オープンカー、「AIで成長する」2輪車を世界初公開! 大型EVバイクなど16モデルずらり…ジャパンモビリティショー2025
  4. 「バンバン」が復活! スズキは二輪展示でも世界初、日本初が目白押し…ジャパンモビリティショー2025
  5. 寂しさ45%、読者の感情:レクサス『LS』生産終了…「時代の流れ」「次への期待」が交錯
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る