「一審は誤り、量刑は軽すぎる」---女子中学生監禁事件で地検が控訴

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大阪市在住の女子中学生が監禁から逃れようとしてクルマから落下、その後死亡した事件で、神戸地検は28日、神戸地裁で25日に言い渡された一審判決を不服として大阪高等裁判所に控訴したことを明らかにした。

検察側は「最初から暴行する目的で女子中学生を監禁した」として、被告の元中学校教師の残忍な性格を主張。殺人罪と同等の量刑を与えるべきだと主張してきた。しかし、25日に神戸地裁で言い渡された判決では、クルマから転落して後続車にはねられて死亡している女子中学生の過失責任(援助交際を目的に、見ず知らずの相手と会ったこと)を強調。この女子中学生の死亡も「車外への転落は被告の想定外で責任を追及するのは酷だ」と判断され、懲役12年の求刑に対して、懲役6年の実刑という非常に軽い量刑が言い渡された。

神戸地検では一審判決直後から検討を続けてきた結果、被害者の過失を追及するなどの判断には明らかな誤りがあり、過去に類似犯罪を重ねてきた被告の状況を考慮するかぎり、今回の量刑は軽きに失するとして、控訴することを決めた。

今回の裁判では、極めて初期の段階から被告の主張と人権的な面が優先されており、死亡した被害者に不利な状況証拠が積極的に採用されているという問題点があった。被害者の事件当日の行動などは、直接関係した被告の記憶による証言が優先されており、真実とかけ離れた面があると検察側が指摘することもあったが、「死人に口なし」の状態で押し切られてしまうこともしばしばだった。検察側では「被告が同様の犯罪を何度も続けてきたことを考慮すると今回の量刑は軽い。教育に関わる者が行った犯罪という意味でも非常に悪質。二審の場では事実認定の的確さを求めていきたい」としている。

《石田真一》

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