開業当初から赤字は覚悟していたけれど…。運行本数を増やした効果不発

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開業当初から赤字は覚悟していたけれど…。運行本数を増やした効果不発
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名古屋市が中心となって開設された第三セクター方式のバス会社である「名古屋ガイドウェイバス」は、開業後1年間の利用状況を公表した。開業当初から激しい赤字に陥ることは予測していたものの、利用者数は当初見込みの55%に留まり、赤字も予想を大幅に超える数値になってしまったという。

同社が運行する『ゆとりーとライン』は、鉄道(新交通システム)と、バスの利点を組み合わせたもので、日本では同社が運行する、JR大曽根駅(名古屋市東区)−小幡緑地(同・守山区)の6.5km区間にしか存在しない。道路上に設けられた専用高架軌道の上を、特別仕様のバスが走るというもの。専用道に入った後の運転手の仕事はアクセルを踏んで、ブレーキを掛けるのみ。ハンドル操作をすることなく、進路は高架橋に設置されたガイドウェイによって導かれるというもの。

東京で運行している『ゆりかもめ』など新交通システムの車両を、バスに改めたような感じで、既存車両への小改造で済み、渋滞の激しい区間だけガイドウェイに乗り入れるというスタイルを取ることから、対費用効果が高いとされてきた。

運行本数も新交通システム並みで、ラッシュ時には1時間あたり17本、オフピーク時の昼間でも7本を確保している。乗客にとって利便性の高いダイヤ設定なのだが、その反面で1便あたりの乗客数は少なく、また運賃が割高ということもあり、実際の利用者数が当初予測の半分程度に留まってしまった。これにより赤字幅も当初予測より50%増加している。

同社では4月以降、乗客の少ない昼間の時間帯で運行間隔を拡大し、全体の本数を減らすことにより、1便あたりの乗客数を増やすという改善案を実施する方針。また、土日のダイヤについても見直しを図り、適正化を少しずつ進めていく方針だという。

《石田真一》

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