石原都知事もびっくり!? ---コルクでディーゼルの黒煙が「ゼロ」に

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ワインやシャンパンの栓でおなじみのコルクで、ディーゼル排ガスにふくまれる黒煙をゼロにするシステム『TCDF』が日本で開発され、実用化間近だ。1日に概要が発表され、すでに大手自動車メーカーが興味を示しているようだ。コルクの生産地自治体、生産業者団体、機械メーカーの共同開発というのもトピック。

コルクはパッキンやガスケットにも使われ、コルク製品から機械メーカーに発展した企業は少なくない。マツダの前身が東洋コルク工業という例もある。TCDFの技術開発の中心となったのは東京都渋谷区に本社がある帝國パツキング、システム名をTCDF=帝国コルク・ディーゼル・フィルターという。

コルクはコルクがし(樫)という樹木の樹皮の下にある部位。植物だけに生育に適した産地があり、日本でも少量が栽培されている。今回は生産地自治体が“村おこし・町おこし”としてコルク材の新規利用法を模索、コルクと縁の深い帝國パツキングとの環境技術の協同開発となったわけだ。

帝國パツキングで環境技術を担当する第三事業部部長兼第三開発部部長の高山健次郎氏は、「中小機械メーカーが21世紀に存続するためには独自の環境技術を軸にすべきだと考え、試行錯誤をしていた中で、98年夏にコルクの産地と業者から話を持ちかけられ、渡りに船だった。しかし開発開始は渡りに船だったが、向こう岸にたどり着くのは想像していたよりたいへんで、コロンブスの卵的発想で切り抜けた」と語る。

なおコルク生産地自治体、業者団体側は「いわば内輪もめ」で、表に出てくる組織が決定していない。「新技術を眠らせておくのももったいないので、今回は帝國パツキングだけでTCDFの発表になりました」と高山氏は苦笑する。

某タイヤメーカーがやはり植物のクルミのかけらを素材に混ぜて冬用タイヤを開発したように、コルクとディーゼルというのも意外な組み合わせだ。配布された資料によるとTCDFを装着するとたしかに黒煙・微粒子がゼロになる。第三開発部次長・篠原隆生氏によればディーゼルだけでなく、ガソリン車の排ガスの有害成分も「ゼロにできそうなので研究を継続」するという。

エキゾーストパイプに装着するTCDFの外観は円柱形で長さは約10cm、直径はパイプ内径とほぼ同じでやや太く、装着車種によって対応する。要は栓をするのである。

《高木啓》

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