約款上は正しいけれど、実務と異なる保険金請求で詐欺行為発覚

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保険金を目当てに故意に追突事故を起こし、休業損害の賠償金およそ540万円を保険会社から騙し取っていたとして、警視庁は21日、山口組系の暴力団組員の男と、共犯の中学校教諭、35歳会社員の計3人を詐欺容疑で逮捕したことを明らかにした。

警察の調べによると、この3人は2000年2月6日の深夜、東京都福生市の路上でクルマ2台が関係する交通事故を故意に起こしたとされる。中学校教諭と会社員の乗るクルマに、後方から来た暴力団員の男が運転するクルマが追突。3人はいずれも「ケガをした」と主張し、事故を人身扱いにした上で、架空会社の休業証明書を作成して保険会社に提出。約540万円の保険金を騙し取った疑いが持たれている。

中学校教諭と会社員の2人はマージャン仲間で、暴力団員の男と賭けマージャンを行い、負けがかさんでかなりの借金があった。保険金詐欺はその借金解消を目的に暴力団員側から持ちかけられたという。

事件が発覚したのは「保険会社から通報があったため」としている。保険の約款では「加害者が支払った賠償金について、保険契約の範囲で保険金から損害を補填する」、つまり加害者が加入している保険なので、加害者に保険金が支払われ、それによって加害者が被害者に対して賠償することになっている。

が、実務上では休業損害などの保険金は保険会社から被害者に直接支払われることになっており、今はそれが常識化している。今回は「加害者側が被害者に先に支払った」として、保険会社に加害者からの“直接請求”があり、その際に必要な書類が全て揃っていたことからかえって「怪しい」と判断。内偵調査で偽装が発覚したようだ。

《石田真一》

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