信号無視常習犯の死亡事故に情状酌量の余地なし---日本で初の危険運転罪適用例

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出勤時刻に遅刻しそうになったため、80km/h以上のスピードを出したままで赤信号の交差点に突入したことが原因で他のクルマとの衝突事故を起こし、3人を死傷させて危険運転致死・致傷罪に問われた23歳の会社員に対し、津地裁は8日、懲役4年の実刑判決を言い渡した。

この事故は昨年12月26日の早朝、三重県鈴鹿市内の交差点で発生した。会社に遅刻しそうになったため、80km/h以上のスピードを出したまま赤信号の交差点に進入した被告運転のクルマが、青信号で進入していた別のクルマの側面部に激突。このクルマに乗っていた3人のうち、後部座席にいた1人が即死し、他の2人も重軽傷を負う事故となり、当初は業務上過失致死・致傷罪での逮捕となったが、あまりに悪質であることから、後日に容疑を危険運転致死・致傷罪に切り替えていた。同罪は事故の前日に施行されており、これが日本で初の適用例となっていた。

8日の判決で津地裁の天野登喜治裁判長は「被告は140メートル手前から事故を起こした交差点の信号が赤であることを認知していた」という検察側の主張を認めた上で、「停車している10台以上のクルマを対向車線側から追い越し、高速度を維持したまま赤信号の交差点に進入するということは、安全を全く顧みない無謀かつ危険な運転である」と断定した。また、この被告が過去に40回以上の信号無視を行っていることを指摘し、「情状を酌量する余地もない」として、懲役6年の求刑に対し、懲役4年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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