コードネーム「FX」、おそらくは『F60』として登場するフェラーリのスーパーカーで、なんといっても肝心なのがエンジンだ。新しく自然吸気6.0リットルV12エンジンが開発された。このユニットをベースにして、数年以内に登場するフロントエンジンの『456GT』や『575マラネロ』の後継車に搭載されるユニットも開発される。
『F50』に使われている4.7リットルV12 エンジンに比べると、かなり軽量でコンパクトなこの60度V型エンジンは、リットルあたり100bhpを出力すると噂されている。それもそのはず、本来93年のF1レーシングカーのために開発されたバルブシステムを採用しているのだ。
その名も「可変バルブ弾道(VVB)」システム。特殊なシェイプをしたローブ(カムの突起部分)により、バルブとカムシャフトとの連動を切り、結果としてよりスムーズな走りを約束し、また高いエンジン回転時でのエアインテイクもアップする。
FXのエンジン出力の公式数値は9月の実車披露まで明らかにはされそうもないが、マラネロ関係者からの話では、650bhp近くになるのではないかとのこと。つまり、F50よりも137bhpもアップするというわけだ。
エンジンがリアバルクヘッドに直接フィックスされていたF50とは異なり、FXのエンジンは、サブフレームの上に搭載され、不快なバイブレーションを減少させるようにデザインされている。