トヨタ自動車は、6月の株主総会後の取締役会で選任される役員人事を発表した。今回は、新任役員5人、退任役員5人と小幅な人事だが、最も注目されるのは豊田章男取締役の常務昇格だ。
章男氏は、豊田章一郎名誉会長の子息で、トヨタ自動車創業家の直系だ。トヨタ役員としては、同氏の常務昇格は異例のスピード。トヨタ自動車奥田碩会長はかねがね「取締役までは豊田家だから。その後は実績で評価する」と常々述べてきた。しかし、東京での決算会見で荒木副社長は「本人の今までの実績と豊田家であること」と、役員となっても豊田家ということで昇格した内実を明らかにした。
章男氏は次の次の社長候補と言われており、大政奉還へと着々と体制は固められつつある。