16日朝、広島県廿日市市の住宅地で交通トラブルが発端とみられる言い争いから、つかみ合いのケンカに発展し、男性が傘で顔などを刺されて死亡するという事件が起きた。広島県警では現場から逃走した男の行方を追っている。
事件が起きたのは16日の午前7時ごろで、広島県廿日市市上平良の路上で近くに住む55歳の男性と、現場を通りかかった20代の男とが、駐車したクルマが原因で口論となった。若い男がクルマを止めた男性に何らかの言いがかりを付けたとされており、運転していた男性がクルマから降りると同時に殴りかかった。男性は路上に倒れたところを傘で刺されるなどの被害を受け、このうち頬に受けた傷は脳まで達し、収容された病院で死亡が確認された。
現場は閑静な住宅地だが、朝ラッシュ時などには現場付近の道路を国道433号線の抜け道として使うクルマが多く、地元住民との間でトラブルが頻発していた。殺された男性は近くに住む母親の家を訪ねるため、自分のワゴン車で現場に来たが、このクルマを路上駐車しようとした際、こうした抜け道通過のクルマと勘違いした男とのトラブルになったようだ。
広島県警では逃げた男の行方を捜しているが、現場付近の状況から犯人が返り血を浴びている可能性が高い。逃げた男は20〜30歳、身長165〜170センチ、紺色の背広を着用しており、髪は短く刈り上げていたとされている。これらの情報は被害を受けた男性が死亡する直前に言い残しており、信憑性は高い。