旭硝子は28日、運転者の日射による不快感を大幅に改善する自動車用合わせガラスとして、赤外線カットガラスの開発に世界で初めて成功したと発表した。同ガラスは日産『エルグランド』、トヨタ『アルファード』のフロントガラスなどに採用されている。商品名は「クールベール」。合わせガラス内部の中間膜にインジウムとすずの酸化物を赤外線の吸収剤として練り込んでいる。
以前にも金属膜をガラス表面にコーティングした断熱フロントガラスは実用化されたことがあるが、これは電磁波を遮断してしまう。このため、携帯電話やETC(自動料金収受システム)の電波なども遮断してしまうという弊害があった。今回の新製品は電磁波を透過させるため、これらの通信も可能になる。
炎天下で何も遮蔽物がない状態では、人は13秒で不快感を感じるというが、新型ガラスでは赤外線を遮断することにより不快感を感じるまでの時間を58秒にまで伸ばした。