【交通の教則裁判 Vol.4】摘発事実は無視、免許更新料訴訟、一審は敗訴

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【交通の教則裁判 Vol.4】摘発事実は無視、免許更新料訴訟、一審は敗訴
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交通ジャーナリストの今井亮一さんら3人が、「3年毎、または5年毎の免許更新の際、全く使われることのない交通の教則を買わせるということは、憲法で保障された国民の財産権を損害するものである」として、国や全日本交通安全協会を相手に120万円の賠償請求を行っていた裁判で、東京地裁は31日、原告の請求を棄却する判決を言い渡した。

原告側は「免許証の煩雑な更新は諸外国では行われておらず、3年毎、5年毎の更新ごとに支払う講習手数料は警察OBなどの利権確保のために制度化されているに過ぎない」と訴えてきた。

原告の主張を裏付けるかのように、今年3月には東京国税局が「全日本交通安全協会は4億7000万円の所得隠しを行っていた」と指摘。重加算税を含めて1億円の追徴課税を実際に行っている。この資金は原告側が「不必要」と主張していた『交通の教則』の制作費のキックバックなどで作られ、警察OBなどの懇親会の際に利用されていたという。利権確保が目的ではないという被告の主張はこの摘発が崩す形となり、裁判は有利に運ぶかに思われた。

ところが31日の判決で東京地裁の岡久幸治裁判長は「更新制度は合理的で、憲法に違反しない。定期的に視力などの適性検査を行い、講習で運転者の安全意識を高めるなど、合理的な存在理由がある」として、原告の請求自体を棄却する判決を言い渡した。国税局の摘発は「無かったこと」にされ、完全に無視された格好となった。

原告側は控訴を行い、舞台を高裁に移してさらに争う方針だ。

《石田真一》

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