岐阜県警は27日、免許の紛失再発行を求めた男の身元照会を行わず、そのまま他人名義の免許証を発行してしまったとして、西濃運転者講習センターに勤務する4人の職員を同日までに本部長訓戒などの懲戒処分を行っていたことを明らかにした。
県警監察課の調べによると、この4人は昨年12月21日、「免許を無くした」と運転者講習センターに現れた男に対し、本来は必要とされる本人確認の手続きを怠ったまま、免許証を再発行してしまったという。
実は再発行を願い出た男は免許証の名義人物とは別人で、周囲からよく似ていると言われることが多いため、この人物名義の免許証を取得して、金融機関から現金を借りるという詐欺を思い立ち、そのために再発行を装ったとしている。男は本来の名義人からの被害届けによって犯罪が発覚し、今年4月に詐欺容疑で逮捕されている。その際、男が所持していた物の中に、この際に発行された別人名義の免許証が入っていた。
免許の再発行を行う際にはベータベースに保存した写真とも照合し、保険証など他の身分証明書類を必要とするが、この再発行を行った際には担当者1名が写真と本人の顔だけを確認したに留めていた。
県警では「あってはならないミス。今後はしっかりと本人確認を行いたい」とコメントしている。