「慎重に判断」で長引いた……日本初の危険運転致死罪適用、ついに決着

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大阪地裁境支部は8日、大幅な速度超過状態で赤信号の交差点に進入し、他車と衝突事故を起こしてドライバーを死亡させ、全国初の危険運転致死罪適用例となった27歳のトラック運転手の女に対し、懲役3年6カ月(求刑懲役5年)の実刑判決を言い渡した。

この被告は昨年12月27日未明、酒気帯び運転をしているところを歳末警戒中のパトカーに発見され、猛スピードで逃走を開始。直後に赤信号の交差点へ強引に進入し、34歳の男性会社員が運転するクルマと出会い頭に衝突するという事故を起こした。事故によって被害者は死亡しており、加害者の女が酒気帯びで、さらにパトカーからの逃走中だったということを勘案し、当初の業務上過失致死容疑を撤回し、事故の2日前に施行された危険運転致死容疑で逮捕することになり、同容疑では日本初の適用事例となった。

加害者側の弁護士が「警察の過剰な追跡が行わなければ事故は起きなかった」と主張するなどしたため、訴訟の進行は他の訴訟よりも遅れることとなり、これよりも後に起きた同罪適用の事件が先に結審するなどしたが、大阪地裁では「初の適用例であり、慎重に進行させたい」と繰り返してきた。

8日の判決で大阪地裁堺支部の湯川哲嗣裁判長は「事故は警察の取り締まりから逃れたいという身勝手な思いから引き起こされたもので、被告が職業運転手であることも勘案すればそこに酌量の余地はない。他人の生命、身体の安全を顧みない危険かつ無謀な犯行だったと認定せざるを得ない」として、懲役5年の求刑に対し、懲役3年6カ月の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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