アジア鉄鋼に関税をかけたものの、国内鉄鋼はNG---アメリカ車値上がりの理由

自動車 社会 社会

アメリカでは鉄鋼業界からの「アジアの鉄鋼は不当にダンピングを行っている」との訴えから、輸入鉄鋼に対する関税措置が取られた。

しかしアメリカ国内の鉄鋼業界は自動車メーカーの要求する品質のものを作れず、やむなく高い鉄鋼を輸入しているメーカーも多い。それにこのところのドル安も手伝い、自動車メーカーは販売価格を値上げせざるを得ない状況に陥っている。

トヨタでは鉄鋼価格の値上げによって車1台あたりの製造コストが100ドル上がっいる、と発表している。このことが皮肉にもアメリカ国内製造の自動車の競争力を下げ、輸入車に競争力をつけさせる結果となっているのだ。しかも値上げにより鉄鋼そのものが素材としての魅力を失い、多くの自動車メーカーがアルミ、プラスチックといった素材でのパーツにシフトしているのも現状だ。

今年後半も自動車メーカーの売り上げ増の状況は続くと思われ、素材の不足は深刻になる。すでにワシントンで鉄鋼関税を廃止するよう訴えかけるロビー活動も始まった。アメリカの鉄鋼業界は、結果的に自分で自分の首を絞めてしまったようだ。

《Sachiko Hijikata, US editor》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スイスポ最終モデルの完全進化形! BLITZが手掛けた“走りと快適”の完熟セットアップPR
  2. 【BMW R1300RT 試乗】200km/hクルーズの快適さは、もはや飛行機レベル…佐川健太郎
  3. BMWの電動スクーター『CE 04』、3つの新デザインバリエーション発表
  4. フジロック2025にSUV『ディフェンダー』がブース開設、高性能版「OCTA」も展示へ
  5. 新型ハイパーカー『オーロラ』、外観デザイン確定…1850馬力ハイブリッド搭載
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る