アジア鉄鋼に関税をかけたものの、国内鉄鋼はNG---アメリカ車値上がりの理由

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アメリカでは鉄鋼業界からの「アジアの鉄鋼は不当にダンピングを行っている」との訴えから、輸入鉄鋼に対する関税措置が取られた。

しかしアメリカ国内の鉄鋼業界は自動車メーカーの要求する品質のものを作れず、やむなく高い鉄鋼を輸入しているメーカーも多い。それにこのところのドル安も手伝い、自動車メーカーは販売価格を値上げせざるを得ない状況に陥っている。

トヨタでは鉄鋼価格の値上げによって車1台あたりの製造コストが100ドル上がっいる、と発表している。このことが皮肉にもアメリカ国内製造の自動車の競争力を下げ、輸入車に競争力をつけさせる結果となっているのだ。しかも値上げにより鉄鋼そのものが素材としての魅力を失い、多くの自動車メーカーがアルミ、プラスチックといった素材でのパーツにシフトしているのも現状だ。

今年後半も自動車メーカーの売り上げ増の状況は続くと思われ、素材の不足は深刻になる。すでにワシントンで鉄鋼関税を廃止するよう訴えかけるロビー活動も始まった。アメリカの鉄鋼業界は、結果的に自分で自分の首を絞めてしまったようだ。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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