神奈川県警がパーキングチケット商法放棄---ワールドカップのおかげ?

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神奈川県警は24日、横浜市中区の山下公園付近で実施しているパーキングチケットによる有料駐車を来年3月までに廃止する方針をまとめた。付近で大規模な駐車場の建設が進んだことや、車線を有効に使うことで渋滞の緩和を狙うという。

山下公園は横浜で最も有名な観光スポットであり、ここの散策を目的に訪れる人も多い。しかし、周辺に大規模な駐車場が整備されていなかったことから、1987年にパーキングチケットを導入し、短時間の駐車を行なえるようにした。

元々、山下公園付近は道路が混雑することで知られていたが、パーキングチケットの導入によって片側1車線分が駐車車両で埋められたために車線が減少し、渋滞に拍車を掛ける結果となった。また、縦列駐車に不慣れなサンデードライバーによる物損事故は後を絶たず、クルマをスムーズに入れられずに車線を塞ぐことで土日には周辺道路にも多大な影響を及ぼすことも珍しくない。こうしたことから神奈川県警と横浜市の間では何度もパーキングチケット廃止論が持ち上がってきたが、これまでは決定に至らず、“パーキングチケット商法”と皮肉られてきた。

ところが、5月下旬から6月下旬まで開催されたサッカー・ワールドカップの期間中、港湾警備の強化を理由にパーキングチケットを休止にする扱いにしたところ、渋滞が大幅に緩和され、景観も良くなったと市民からも好評だった。ここ数年、周辺に大規模な有料駐車場が次々に完成し、パーキングチケットを使ってクルマを止める必要が無くなったことも大きかった。

このため、県警と市が再度協議した結果、「付近の駐車施設で充分に対応可能になった」として、今年度中の廃止があっさりと決定した。詳細な廃止時期についてはさらに協議を進めていくが、山下公園への観光客が減少する厳冬期に行なう公算が高いとしている。

警察としてはパーキングチケットの廃止で安定収入が失われることになる。が、廃止後は山下公園前は完全な駐車禁止エリアとなるため、取り締まりを強化すれば充分に採算は取れるかも。パーキングチケットが無くなったとが周知徹底されない間はうっかり止めてしまう人も多いことだろう。県警では案内人を配置する計画だという。

《石田真一》

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