職質する前に警察手帳を見せるべき…暴力団と見間違えられた警官の過失は?

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前橋検察審査会は24日、大学生が職務質問を行おうとした警察官を暴力団員と誤認し、逃走する際にクルマにはねられて死亡した交通事故で、警察官側の過失を不問として不起訴にした検察官の判断は不当とする議決を下した。

この事故は昨年11月18日の午後9時ごろに発生している。無灯火状態で走る2台の自転車を発見した警察官2人が、「おい、兄ちゃん」と呼び止めて職務質問しようとしたところ、自転車に乗っていた大学生は全力で逃走を開始。途中からは無線連絡を受けたパトカーも追跡に加わったが、その数分後に幹線道路に飛び出した際、通りがかったクルマにはねられて死亡したというもの。

一緒にいて、別方向に逃げた友人が「警察官とは名乗っておらず、暴力団員に絡まれたと思った」と証言。警察官の職務が適正だったかどうか、そして「おい、兄ちゃん」と呼び止めたことが事故の原因となったのか、警官の行為が業務上過失致死罪となりうるのかを検察側で捜査してきた。その結果、職務質問しようとして大学生に声を掛けた警察官2名については「逃走後の追跡と少年の死亡に直接の因果関係はない。よって事故を避けるための措置を取る義務はなかった」という判断が下り、業務上過失致死容疑についても嫌疑不十分で不起訴とする決定を行った。この決定に遺族側が猛反発。今年4月に前橋察審査会へ対し、異議を申し立てていた。

この申し立てを受け、調査を行ってきた審査会は「警察官であることを明示せずに停止を求め、覆面パトカーでサイレンを鳴らさず急発進などをしたことが事故の一因の疑いがある」として、不起訴不当の議決を行い、検察側へ再捜査を促した。

《石田真一》

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