駐車場とパトカーの後部座席ではかなりの相違……京都府警が内部捜査

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京都府警監察官室は7日、1997年1月に起きた泥酔男性の死亡事故について、「担当署が発表した状況と事実は異なる」という内部からの告発があり、調査に乗り出したことを明らかにした。今月1日に退職予定だった当時の署長も警務課付きにしており、監察官室の調べが終わるまで退職を認めない方針だ。

監察官室によると、問題の事故は1997年1月16日に発生している。当初の説明では、京都市南区内の路上に泥酔状態で倒れていた男性を午前8時30分に九条署の地域課員が発見、保護した。その後、この男性が立って歩けないことなどから、九条署の敷地内に駐車したパトカーの後部座席に寝かせたが、昼を過ぎても目を覚まさないことを不審に思った別の警察官が119番通報。病院に収容されたが、この男性はすでに死亡していたという。

ところが今年9月、監察官室に「真相は異なる」という内部告発が寄せられた。告発によると「男性を保護したのは早朝で、九条署に着くなりパトカーから男性を降ろして駐車場に午後1時すぎまで放置した。様子がおかしいと気づいたのは午前8時30分頃だが、この際にも特に何か特別な対応をすることはなかった。その後、意識のないことに別の警官が気づき、パトカーの後部座席に押し込んだ上で上司に報告。その後119番を行った。当時の関係者なら大半が事情を知っている。処分を恐れ、事実の隠蔽をした」という。もし寒空の下に何の防寒対策も無いまま放置したのであれば、警察の保護責任が問われるだろう。

また内部告発では「男性を後部座席に寝かせることが目的で、台数に限りのある捜査車両を1台潰す(使用する)ことは考えられない」とも指摘しており、このあたりに整合性があるとして監察官室が捜査に乗り出すことになった。この際に関与した警察官は配転で九条署を離れているが、追跡調査を実施して事実解明に当たるとしている。また、当時の九条署長で、今月1日に退職予定だった元署長を警務課付きの職員として再配置しており、事件の全容解明が終了するまで退職は認めない方針だという。

《石田真一》

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