三菱『コルト』は日本メーカーの世界戦略小型車としては最後発になる。遅れて出てきたヤツにはそれなりの期待がつきまとうのは世の常だが、コルトはその点を世の中にどうアピールしていくのか。コルトの商品広報を担当する関野政之さんに尋ねてみた。
「小型車というか、今のクルマというのはこれと同じだと思うんです」と、ネックストラップにつなげた携帯電話を示す関野さん。
「どのクルマでも走る、曲がる、止まるという基本的な機能は揃っています。それは当然なのですが、そこに付加価値を上乗せしたことで新しい商品になる。携帯電話も“電話をかける”という部分は一緒ですが、NTTドコモのiモードはメール機能、Jフォンの写メールはカメラを搭載したこと、auのCDMAは高音質と高速度の通信スピード、それぞれ特長といえる付加価値をつけました。それぞれの特長を作ることで新しい商品として成立させています」と説明する。
「コルトもこれと同じです。他社の小型車にない付加価値として“ちょっとだけ高級”をテーマにしています。小型車だけど安っぽくない。車体が小さいだけで、それ以外には妥協がない。ここはメーカーとしての最大のアピールポイントです。小さい=安い、小さいから安っぽくて良いとしている他社とはそれだけで一線を画すと思います」
ユーザーとして仮定する年齢層。これを他社のコンパクトカーに比べ、ほんの少しだけ上に設定しているという。これも高級感をアピールするひとつの理由とのこと。クルマを道具としてアピールすることはすでに他社がやっており、そこにコルトをあえて入れることは避けたかったようだ。