目的地設定をするときに気になる点がひとつあった。目的地までの中継点は最大5カ所まで設定できるのだが、注意したいのは、中継点の設定なしでは直線300km以上のルート探索はできないという点(中継点設定時は最大1500kmまで)。これは、書き換えを前提とした専用の地図フォーマットを採用したことが要因となっている。ルート探索に要する時間が、通常のカーナビより多くかかるのだ。
じつは現行の国産カーナビは、OSに「マイクロアイトロン」を採用している。このOSは少ないメモリーの使用で、高速処理できるのが特徴。一方、G-BOOKではOSに「Windows CE for Automotive」を採用した。これが、ルート探索できる距離に影響を与えたものと考えられる。
Windows CEの影響は他にもある。それは地図描画の問題だ。こちらもメモリーとの関係になるが、表示速度がマイクロアイトロンに比べて若干遅い感じがする。これは市街地図の表示など、より詳細な表示を行う際にとくに感じられる。
とはいえ、トヨタもこうした影響が出ることを承知でWindows CEを採用している。新しいサービス、とくにG-BOOKのようなネットワークサービスでは、Windowsと同じ環境で開発できることは大きなメリットだ。Internet Explorerのインターフェイスが利用できれば、メールや決済機能などもWindows環境と同じものが使える。つまり、カーナビ機能を多少犠牲にしても、ネットワークの機能を優先したということになるだろう。