運転手の飲酒が経営を揺るがす事態に? 空港シャトルバスに事業停止命令

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国土交通省・関東運輸局は5日、今年10月に運転手が酒気帯び運転を行って逮捕された空港シャトルバスを運行する「千葉観光」の成田空港営業所に対して事業停止命令処分を言い渡したことを明らかにした。事業停止期間は来年1月14日から2月9日までの約1カ月で、この間は貸切運行事業ができなくなる。

問題となった事案は今年10月5日に発生した。東京都内のホテルから成田空港を結ぶ空港シャトルバス「千葉観光」の貸切運行便の乗客数名が、東関東自動車道・成田インターチャンジの料金所係員に対し、「運転手が酒臭い」などと申告。料金所から通報を受けた千葉県警の捜査員が呼気検査を実施したところ、酒気帯び相当量のアルコールを検出した。このために運転手を道路交通法違反(酒気帯び運転)で逮捕していた。

当初、この運転手は「自宅近くの(千葉県)富里町の居酒屋で飲み、その後に会社の仮眠所に戻った」と供述していたが、実はバスを都内の路上に放置したまま飲み歩いていたことが発覚。会社も運行前に必要な点呼を携帯電話による連絡のみで済ませていたこともわかった。

このため、関東運輸局では「運転手の居場所すら確認していない会社の運行管理体制には落ち度がある」と指摘。今年2月に改正道路運送法が施行されて以来、最も厳しい処分となる「事業停止命令」を言い渡した。

今年7月に起きたJR東海バスの飲酒運転では路線運行停止、8月に起きた神戸市営バスでは営業所単位でバスの使用停止が命じられている。今回の問題を起こした千葉観光の空港シャトルバス事業は、契約する都内のホテル会社がチャーターした貸切運行便として扱われており、路線バス事業ではない。このため、事業自体を停止するという厳しい命令がなされたというわけだ。

運転手はすでに解雇されているが、約1カ月も運行が出来なくなるという事態はこの会社にとって大打撃となることは間違いない。

《石田真一》

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