今年6月に改正道路交通法が施行され、酒気帯び運転と認定されるアルコールの量が呼気1リットルあたり0.15ミリグラムまで引き下げられたのはこれまでに何度もお伝えしてきたとおりだ。この新基準による検挙者も相次いでいる。
警察庁は「体重60kgの成人がビール大瓶1本を飲んでも、15分以内なら検出される量」として、0.15ミリグラムというという数値を決めた。従来の酒気帯び量の下位ボーダーは0.25ミリグラムだったが、これは「体重60kgの成人がビール大瓶2本を飲んだとしても、30分を過ぎると検出されなくなる」というもの。これを酒気帯びとして摘発するためのハードルは高く、なかなか摘発されないことから抑止効果が無かったという声も高かった。新基準の場合、飲食店を出る直前に飲んだ“最後の一杯”が“最後の一撃”となる可能性がある。その数分後に摘発を受けた場合、アルコールチェッカーのゲージは軽々と「0.15」を突破する可能性は高いのだ。
だが、この0.15ミリグラムという数値、実は極めて微妙なのだ。警察自身が「微量でも摘発可能になった」と主張しているが、裏を返せば微量のアルコールでも検出されてしまうということでもある。酒を飲んだつもりはないのに、極めて少量のアルコールを含む食物を摂取した場合、無常にも反応してしまうケースがある。こうなると「飲酒をしていない」と主張しても、警官だってそれを額面どおりに受け取ってくれることはまずない。無用なトラブルを避けるためには「アルコールを検出しそうなもの」も避ける必要がある。しかし、その「アルコールを検出しそうなもの」とは何なのか。実はいろいろと実験してみたのだが、意外なものが落とし穴になることがわかった。