暴走族グループの数は減っているけれど---警察が抱える憂鬱とは

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警察庁は23日、昨年1年間に全国の警察本部が摘発した暴走族メンバーの数を明らかにした。道路交通法違反や刑法犯罪を犯して摘発されたメンバーの数は8万5888人で、前年よりも8.4%少なくなっているという。逮捕者の数も8025人となり、こちらも前年より4.5%少なくなった。

これは各都道府県の警察本部から寄せられた少年犯罪のうち、暴走族メンバーに属しているものを抜き取って集計したもの。書類送検を含む検挙者数は8万5888人となり、前年よりも8.4%少なくなった。罪種別の摘発は、道交法違反が7万8752人で前年比7.5%減、刑法犯は5376人で同7.5%減だった。県別では大阪府の9542人が最も多く、2位は福岡県の9456人、3位は東京都の4202人。これを逮捕者に限った場合は広島県の929人が最も多く、次いで愛知県の919人、大阪府の789人。

ただし、全国的に見た暴走族の活動状況はやはり縮小傾向にあり、暴走族の活動実態の指標とされてきた集団暴走の回数も昨年は全国で7430回を確認するに留まった。こちらも前年比で14.4%減となっている。

ただし気になる数値もある。一般人に危害を与えるなど、凶悪犯として逮捕されたメンバーは221人となり、こちらは前年より18人も増えた。集団による大規模な暴走は減っているものの、数台でゲリラ的に行う暴走はむしろ増える傾向にあり、一部地域ではパトカーが破壊されるなどの被害も報告されている。

同日発表された暴力団の動静調査では、準構成員の数は前年よりも「増えた」と報告されており、暴力団と暴走族の癒着の構図が水面下で着々と進んでいるのではないかとの指摘もある。広島など一部地域では現役メンバーを支える「面倒見」、という形でそれが表ざたになっているが、警察ではこの傾向が全国に拡散するのではないかと警戒を強めている。

《石田真一》

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