【考察】ミナルディの予選作戦
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ミナルディの狙いは以下のもの。今年からの予選方式では計測が終了したマシンは、パルクフェルメ(マシン保管所)に収めるルールになっており、決勝レースまではマシンの整備はリストに定められた簡単な作業しか行うことができない。ところが2日目の予選でノータイム(未計測)だった場合は、自動的に最後尾スタートとなるが、ピットで日曜日の決勝レースに向けた整備が可能となる。もちろん天候変化に対するセッティング変更も可能だし、燃料搭載量も変更可能だ。さらに言えば、エンジン交換だってチームがやりたければOKということになる。
この作戦はミナルディが意図的に行ったものだが、FIA技術委員であるチャーリー・ホワイティングに事前確認をとって行った、いわばFIAお墨付きの戦略だった。真剣に予選アタックを行ってもミナルディがテールエンダーである事実はほぼ変わりなく、それならば日曜日の決勝に向けて(特に今回のような天候変化が予想されていた場合には)じっくりとセッティングを行ったほうが得策というものだ。ワークスエンジンを持たない弱小チームのささやかな抵抗と見ることができる。
しかし、FIAのマックス・モズレー会長は、ミナルディがとった今回のような行為を今後は禁止すると公言している(まだレギュレーションの明文化はなされていない)。また、今年からミナルディのタイヤサプライヤーになったブリヂストンもイメージの低下とスポーツの精神に劣る行為として、今回の作戦実行を歓迎していない。いずれにしても大きなレギュレーション改革を行った今年のF1だけに、この手のレギュレーション解釈を巡る問題は、まだまだ多発するだろう。
《編集部》