危険運転罪では足りない---ひき逃げ事件は殺人として認められるのか

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昨年12月、警察からの追跡を逃れようとしていた際にひき逃げ事故を起こし、1人を死亡させて殺人罪に問われている27歳の男に対する初公判が19日、福岡地裁で開かれた。被告は覚せい剤使用は認めたものの、ひき逃げについては「殺意は無かった」として罪状を否認している。

この事件は昨年12月20日に起きた。同10月に福岡市内の事務所に侵入し、現金を奪ったとして指名手配中の男をパトロール中の福岡県警・粕屋署員が発見した。パトカーは男の乗った盗難車の追跡を開始したが、男は福岡市内で渋滞を強引にすり抜けようとした際、車外に出ていた43歳の男性をはねて死亡させたが、なおも逃走を続けた。逃走劇はおよそ1時間20分に渡って繰り広げられたが、警察の実力阻止に行く手を阻まれて逮捕されている。警察では男を危険運転致死容疑で送検したが、検察が「危険運転罪での適用案件を凌駕する、あまりに悪質な罪状」と断定。容疑を殺人罪に切り替える形で起訴していた。

19日の初公判で検察側は冒頭陳述において「前方にいる被害者を認知していた可能性が高く、クルマを発進させれば被害者に衝突することは認識できたと判断するしかなく、未必の故意による殺意が成立する」と主張。被告が人を傷つける可能性を認識していたと指摘した。

これに対して被告は「人がいることを認知しておらず、ひき逃げしたという感覚も無い。したがって殺すつもりなんてなかった」と、殺人罪で起訴されたことに不快感を示すとともに、容疑を否認している。

《石田真一》

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