暴走阻止のための実力行使を事実上容認---暴走族メンバーの請求棄却

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暴走族メンバーが警察の取締りを受けた際、振り下ろされた警棒で小指を切断する大けがを負ったのは警察の行き過ぎた捜査が原因だとして、総額165万円の賠償請求を行っていた裁判で、徳島地裁は26日、暴走族メンバーの請求を棄却する判決を言い渡した。

問題の事件は2001年の6月18日に起きた。原告を含む暴走族メンバー数人がバイク4台に分乗し、徳島市内の市道を走行中、後方から追跡してきた徳島県警・徳島東署のパトカーに停止を求められた。メンバーらはこれを無視して走行(原告の主張、警察の主張では“暴走行為”となっている)を続けたが、パトカーはバイクを追い越して前方の進路を塞ぐように停止。現場から逃げ出そうとしたメンバーに対し、パトカーの警官は警棒を振り下ろすなどの実力行使を行った。この際、原告の右手に警棒が当たり、原告は右小指を切断する大けがを負った。収容された病院で縫合手術が行われて指はつながったが、神経の一部がまひするといった後遺障害が残った。

このため、原告は「警察の違法な取り締まりによって障害を負った」と主張し、徳島県(県警)に対して総額165万円の慰謝料を求める請求を行った。これに対して警察は「暴走を制止するために行った必要な行為。原告らは信号無視を数度に渡って繰り返しており、停止させない場合には他車に危険が及ぶ可能性が高かった」と反論していた。

26日、徳島地裁の村岡泰行裁判官は「暴走を制止するために行った必要な行為」という警察の主張を全面的に採用。原告側の請求を棄却する判決を言い渡した。

《石田真一》

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