「遊撃捜査隊」東京のひったくり犯を撲滅へ---警視庁が専従部隊配備

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警視庁は10日、都内で急増するひったくり事件の検挙率を向上させることを目的に、特に被害が激しい地域へ小型二輪車に乗った警官を常時配置することを明らかにした。遊撃捜査隊の名称で呼ばれ、犯行後に原付バイクを使って逃走する犯人の確保を目指す。

警視庁によると、都内で発生したひったくり事件の認知件数は今年に入ってから急増しており、これまでに約1500件が発生。1月から3月末の期間だけで前年同期比の300件増しという急増ぶりだ。発生した事件の7割で原付バイクやその他二輪車が使用されており、現場周辺から素早く逃走してしまうため、検挙しにくい状態となっている。通報を受けて出動した警官が現場付近で犯人確保に成功する方がレアケースであり、その数は全体のわずか5%に留まるという低調ぶりだ。

検挙率が低調傾向を示す理由としては二つの理由が考えられる。これまでは被害者からの通報後に現場最寄りにいる警官を探し、現場に向かわせていた。そのためどうしても迅速性に欠けることとなり、犯人に逃走する間を与えることになるということが一点。

もう一点の理由として挙げられるのが彼我の機動性能の違いだ。どんな道でも選ばず、ときには交通違反を承知で逃走する原付バイクを追うにはパトカーのサイズというものがネックになる。小回り性能も劣るため、逃走する犯人の多くはそれを知った上で路地に逃げ込むことを繰り返す。物理的に入ることができない狭さの道に逃げ込まれた瞬間、追跡は不可能になってしまう。

今回設立される遊撃捜査隊は70人体勢。犯人追跡に小型二輪車を使うことを決めており、しかもひったくり事件多発地帯にあらかじめ配置される。被害通報と同時に出動するため、これまでのように初動遅れが原因で犯人を取り逃すことは大幅に減るのでは…と、警視庁では期待している。

《石田真一》

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