橋からの転落は予測できなかった---交通トラブル事件の被告が開き直り

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「故意に幅寄せされた」という思い込みからトラック運転手を暴行、殺害したとして傷害致死と器物損壊の罪に問われた暴力団員ら2人の被告に対する初公判が9日、水戸地裁下妻支部で開かれた。2人は暴行の事実を否認、偶発的な事故であると主張した。

この事件は今年1月9日未明に発生している。茨城県境町塚崎の国道4号線で「無人のトラックが橋の上に放置されていて危険だ」という通報が警察に寄せられた。このトラックの車体の一部には何者かが蹴ったような靴跡が残り、さらには運転席上部で何者かが飛び跳ねたような形跡も見つかった。しかし、運転していたとみられる26歳男性の姿はなく、警察は「運転者は帰宅した」として引き上げた。

しかし、これに納得できない男性の家族が現場付近を捜索したところ、トラックが放置された場所から数十メートル離れた地点の河川敷に落下している男性の遺体を発見した。

警察では目撃者などの証言から暴力団員の男が事件に関与している可能性が高くなったとして、この男を含む2人を傷害致死と器物損壊容疑で逮捕している。2人は被害を受けた男性の運転するトラックが故意に幅寄せをしてきたと誤認。男性のトラックを追跡して強引に停止させた上、トラックを蹴るなどして破壊。逃げようとした男性を橋から落としたとされている。

9日に行われた初公判で検察側は「トラックを蹴り続け、被害者に恐怖を与えたことは間違いない。被害者が運転するトラックを執拗に追跡しており、逃げようとする被害者をさらに追いかけ、転落に追い込んだ」と指摘した。

これに対して被告人はトラックを壊したという器物損壊についてのみ起訴事実を認め、傷害致死については「偶発的な事故で責任はない」とこれを一蹴した。被告弁護側も「男性は逃げようとして誤って橋から転落した。被告はトラックを損壊させる被害を出したかもしれないが、検察側が指摘するような追跡は行っておらず、転落を予見することはできなかった」と主張している。

《石田真一》

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