盗んだトラックは部品にして輸出---車台番号を削って犯行発覚

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警視庁は12日、部品レベルに分解したトラックを輸出用コンテナに隠していた盗品等保管容疑で今年2月に逮捕したウガンダ国籍の男が、千葉県や埼玉県で頻発しているトラック盗難事件に関与していた可能性が高いことを明らかにした。容疑が固まり次第、窃盗容疑で関与した6人を再逮捕するという。

警視庁・捜査三課、同・上野署の調べによると、この男は千葉県や埼玉県を中心とした関東エリアで仲間にトラックを盗ませては、千葉県四街道市内にある自分の工場に持ち込んで部品レベルまで分解。それを中古部品としてウガンダに向けて輸出していた疑いか持たれている。

今年2月に神奈川県・横浜市の本牧ふ頭で輸出待ちだったコンテナの抜き打ち検査によって盗難したトラックを輸出しようとしていたことが発覚、その際には「盗難車だったことを認める、ただし素性の知らない日本人ブローカーから買った」と供述していたため、盗品等保管容疑で逮捕していた。

しかし、後の調べてこの男の親族がウガンダ国内で日本製中古トラックを販売するディーラーを経営していることがわかり、全ての部品がこのディーラーに向けて輸出されていたことがわかった。また、このディーラーは部品レベルまで分解されたトラックを再組立する能力も有しており、外国での販売を目的に盗難車を輸出していた疑いが高まった。

中古車を輸出する場合、日本での抹消登録証の提示が必要となる。しかし、これが中古部品となった場合には確認する手段がなく、これまでは看過されてきたという。ただし、ここ数年は同様の手口での不正輸出が横行しており、X線検査などで怪しい積荷を発見した場合には税関当局が開封検査を行うなどの対策を実施している。

今回発見された部品は車台番号などが削り取られており、これが怪しいと思われて発見に至ったという経緯がある。警視庁では盗難車を調達するルートなど、他にも外国人が犯行に関わっている可能性が高いとみて、全容解明を急ぐ方針だ。

《石田真一》

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