先代の『シャリオ・グランディス』は、ホンダ『オデッセイ』を仮想敵として真っ向勝負を挑んだクルマだった。スリムでどこか女性的なイメージも感じさせるオテッセイに対し、シャリオ・グランディスは威風堂々とした男性向けミニバンだったといえる。当時のCMは「父ちゃんカッコイイ」というセリフで締めくくっていたことからも、30歳代から上の男性をメインターゲットとしていたことがわかる。
では、今度の『グランディス』はどうなのだろうか。「先代に比べたら万人向けになった」と、グランディスの開発責任者である露峯登SPL(ストラテジック・プロジェクトリーダー)は言う。男性はもちろんだが、若い女性が乗っても違和感のないクルマを目指したそうだ。
「先代のシャリオ・グランディスは意図して男性向けに仕立てたのではなく、女性が使うことを想定していなかった結果、自然とああいうクルマになってしまった。セールス上でもミニバン=パパのクルマと決めつけることとなり、日常使用は女性が中心ということを見逃していた」と語る。
露峯SPLはさらに「グランディスでは誰もが使える、家族みんなが満足できるクルマを目指しました。女性の意見も聞き入れ、インパネまわりに曲線を多用するなどして柔らかいイメージを醸し出しています。大型の7人乗りミニバンなので女性は躊躇するかもしれませんが、デュアルアラウンドモニターの採用で死角を無くすなどしており、操作性も良好です」
「車体色も最初から10色を用意しており、今までのミニバンには無かった明るい色合いもある。こうしたことからもライバルには負けないクルマになったと自負しています」と説明、グランディスの優位性に自信を見せた。